■舞台「Defiled -ディファイルド-(33)」DDD青山クロスシアター 17:00開演(上演時間:1時間37分くらい、スピーディで早くなってる)。
作:LEE KALCHEIM、翻訳:小田島恒志、演出:鈴木勝秀
出演:勝村政信(ブライアン・ディッキー)、戸塚祥太(ハリー・メンデルソン)
声の出演:中村まこと(署長)、佐藤真弓(メリンダ)
※C列下手で観劇。

休日のソワレは早い時間から始まるから、19時前には終わってしまう。なんだか不思議だね。色々書きたいことはあるけれど、きちんとまとめられないので、とりあえずは記録で失礼。

記録なのでこの日の事も軽く触れる。昼間は翌日実家に顔出すために、母の日用の花とか、手土産とかを買うために近所のショッピングモールへ。ミニバラの鉢をウチの母(ピンク)と義母(黄色)を購入。奇麗に咲くといいのだけれど。時間を気にしながら16時になったところで、職人と別れて渋谷へ向かう。電車に乗って気持ちを切り替える。うん。
 
渋谷に到着。会場に向かう前に、個人的な段取りをこなしてから、渋谷区仮庁舎横の坂を上り会場へ向かう。あのあたりの裏道って好きなんだよね。昼間ではなくて夜が特に好き。ひっそりとしてて、あまり人はいなくて、緑もあるんだけれど、間違いなく都会で、でもなんか華やかぢゃなくて。あそこを通るのもあとちょっとなのも少し寂しい。

会場に到着。いつもより少し早く着いたからか、まだ階段にキャンセル待ちの方々が並んでない。結果的に当日券&キャンセル電話。一度しか繋がらなかったけれど、その電話がかけられるのもあとちょっと。階段降りながら携帯を観るとフォロワーさんがいらしてる様子でDM。会場に入って、ポストに手紙を入れたところで、見覚えのある顔を見つけてご挨拶。
 
そして着席。今回はC列。DDDはどの席に座っても大体良く観れるし、感じられる臨場感も同じではあるのだけれど、やはりステージが近い。でもね。どんなに席が近くても、出来るだけ表情が観たいと思ってしまうタチので、双眼鏡をいつでも覗ける状態でスタンバイ。あと、A-C列までは段差がないので、前の方の頭で遮られる視界がどの程度になるのかが気になり、自然に座高を高くするために姿勢が良くなる。

開演前に会場で流れる曲に関しては、まとめられている方がいらっしゃるので、こちらのモーメントをご参照。見事にアメリカ括り。この選曲はなんとなくスズカツさんなんだろうな、、とチラと思う。個人的には「Born in the U.S.A.」Bruce Springsteenに、気持ちがアガる。

開演。だいぶここまでで全体的には触れているので流れは省略して印象的ったったところを。

観劇して3回目にふっとした際に、気に掛っていたことがなんなのか、やっと気が付いたのだけれど、ハリーである時の祥太は、ほとんど瞬きをしないのね。これって、宗介の時ってどうだったかな、と思い返そうと思ったのだけれど思い出せず。でも、きっとこのハリーになってるからこその、あの瞬きの無さなんだろうと思ふ。本当に判るようには瞬きしないんだよね。もちろん、視線を落としたり振り返ったりで実際は瞬きはしてるんだけど。今日は涙は見せてなかったけど、目が潤むシーンは何度かあって、目が語る演技ってやはり色々伝わるし、強いって思った。そこを祥太が意識して演じてるのか、そこがスズカツさんの演出なのか、機会があれば聞いてみたい。

冒頭のダイナマイトを本棚に置いていくの。音楽にのせて、振り付けの様だな、、段取り、とても美しいな、、とか思い始めた。なんでかな。

メリンダとのシーン。メリンダの声を聴いて、畳みかけるようなハリーの台詞の応酬。迫力あったな。
今でもあなたのことを考えているのよ、特別の存在なのよ
笑っちゃう、笑っちゃう
ここの、捨て鉢に自虐的なところも凄かった。そうだ。今日はメリンダへのトランシバー説明の勝村さんのアドリブ部分で、思わず祥太に戻って吹き出してたの、珍しい。
トランシーバーってのは、ちょっと横をみて。このあたりの、黒く輝く(何を言えばいいのか勝村さんが度忘れしたんだね。ここあたりで吹き出してた)、何がおかしいんだっ
もういいよー。

トランシーバーを取り上げてメリンダと話ところ。通路に出てきた語り始めたところ、凄く近くてどきどきしました。肉声が近い。本棚の前に戻って本棚に手を掛けて、話してるところも目前。
僕は君を愛してた、愛ってそういうものだろう。どれほど君を愛しているかを示すためにやったんだ。、、、それで僕を捨てた
絶望してから客席を彷徨う演出は放心した感じが伝わって好き。その後、上手の階段に座り込み、頭を抱えて髪の毛をぐちゃくちゃとしてから、魂の抜けたような表情で首や胸周りを指先で掻くんだよね。指先で。
 
cup2あ、それと復活のカップ(ブルーのね)。あれ、劇中で割れたことがあるんだね。今日、あの距離で双眼鏡で覗いたら、一度割れたのをキチンと貼り合わせた跡があった。ガチャンってなってた回あったもんね。どこから一回割れたんだな、とか、そんなことも思ったりした(←余計な感想)。

あとね。ブライアンが外に出て、ハリーが1人で図書館に残されているシーン。机の上に放置されていたダイナマイトを、PCとモニターに貼りつけるところ。机の下のPC本体に貼りつけるのはすんなり出来たのだけれど、モニターの方に貼る際に、何度も切れちゃうガムテにいらつき、それをステージに撒き散らして、結果3回もモニターへ貼り付けて、それでも苛立ちが抑えられなくて、PCを殴る。一度ステージに戻ってガムテをまき散らすのと、PCを殴るのは初めてみました。あれは祥太のアドリブだよね。いらいらしてんの凄く伝わった。

ただ、苛立ってPCを殴った時に右手怪我して、小指から血が出てました。ああ。現実の祥太は生きてるんだなとか思いながら観てたあたしをお許しください。でもね、あのヒト、たぶん血が出てるの気付いてなかったんぢゃないかな…。痛みは感じてたと思うけど。怪我はおそらく擦り傷程度で、心配するようなものぢゃないと思われます)。んーでも、貴重なもん観た気がします。あー、血が出てるな…とか思いながら、カテコ迄ずっと至近距離でも双眼鏡覗いてしまいました。近かったからこそがっつり表情が観たかったのです(←言い訳)。

この影響ではないとは思うけれど、ブライアンから銃を取り上げたあと、銃を構えてる時間が短かった気がします。もともと、ブライアンに銃を向ける際も、決して引き金には指を掛けないのだけれど、今日は引き金はもちろん、そんなに銃を構えてなかった。あれも意味があるのかな。

あ、あと目と言えば勝村さんの瞳。照明の具合もあるのかもしれないけれど、茶色が明るいのね。祥太の目とはまた違う、真摯な目。最後の提案(自分のガレージにガード目録置く)って、振り返ってハリーに塚づいてきた時、その明るい茶色がとても印象的だったな。

撃たれて倒れてから、空気が抜けたような呻きのあと、ダイナマイトを爆発させるべくスイッチを押すものの、それは効かないことに気がついてからのラストの台詞と芝居
ちきしょう、、、(むせて、咳き込む)ちきちょう、ちきしょう、ちきしょう、、、何が、テクノロジーだ
が投げ捨てる様に冷たかったな。もう、捨て鉢になった後の、落胆した感じで非情。この間は、まるで駄々をこねるかのようだったのに、ここって毎回、演技替えてるきてのね。最終的な着地はどこを目指すんだろう。

そして終演に向かい、どんどんスピードアップしてテンポが早くなってるね。とにかく台詞回しが早い。あんなに早く巻くしあげても台詞を噛まないのって、本当に凄い。ちゃんと聴こえて台詞も判る。すぅっと身体に台詞も流れも浸透して、ハリーと同化とは言わなくても、寄り添えるようになってるのね。祥太、凄いよ、凄い。うん。ちゃんと潜ってるよ。
 
あと1回。もう1回でDDDでの観劇はラスト。ちゃんと噛みしめて、全部見逃さないようにしたい。